お知らせ

お知らせ

コンベアトラッキング、ビジョントラッキングとは?

2020.12.18

産業用ロボットでの「トラッキング」とは “追従する”という意味で使用されます。

「コンベアトラッキング」とはコンベアの移動距離、速度を知るためのセンサを取り付け、コンベアの速度と同じ速度でロボットを動作させ、コンベア上の製品を取得するなどの動作をさせることです。

コンベアトラッキングにはガイドで製品の動く横方向を制限する場合(コンベアトラッキング、又はセンサトラッキング)と製品の位置を制限せず、上からビジョンカメラで見て位置を把握する場合(ビジョントラッキング)があります。

ビジョントラッキング

「ビジョントラッキング」とはコンベアトラッキングに画像を認識するカメラを使用し、特定の製品の位置や向きを認識させ、その情報とエンコーダの情報からロボットが追従し製品を取得する技術です。ビジョンセンサには取得するワークの形状と取得する位置を予め記憶させます。

コンベア上でワークが流れてくるとビジョンカメラが、そのワークを認識し、ロボットのX、Y座標に変換し、ロボットに伝えます。ロボットはエンコーダからの情報を元にビジョンカメラからのワークのX、Y座標の情報をシフトしていきます。ロボットの稼働範囲にワークが流れてくるとロボットはワークの動きに同期しコンベア上に移動し、ワークを取得します。
この動作にはロボットの演算する能力が必要であり、コンベアの速度が速い場合やワークの数が多い場合にはロボットが追従しきれず、取りこぼしが発生することとなります。

ビジョントラッキングとハンド

ビジョントラッキングの際にワークを認識し、どのようにロボットが把持するかを決める必要があります。把持する方法には主に、平行ハンドなどで「掴む」場合と真空を使用し「吸着する」場合があります。

キャリブレーション

キャリブレーション(Calibration)は、日本語に訳すと「較正(校正)」になります。
ロボットシステムにコンベアを取付け、トラッキング(追従動作)機能を実現するには、コンベア上のワーク位置がロボットにとってどの位置にあるかを計算する必要があります。

コンベアが動作すると、コンベアに取付られたエンコーダからパルス信号が出力され、その信号をロボットが受け取り、自分の座標系に補正を行い、その位置に移動します。

上の図では、製品の現在位置が(Xr,Yr)でコンベアが動作した際のエンコーダからの信号による補正データが(Xt,Yt)とするとロボットが動作すべき位置は(X,Y)=(Xr+Xt,Yr+Yt)となります。

この計算をするためにはエンコーダからの信号とコンベアの移動距離の関係を設定する必要があります。この設定を行う事を「キャリブレーション」といいます。

また、ビジョンカメラを使用する場合、ビジョンで撮像した画像の位置とロボットの座標を合わせる必要があり、これも「キャリブレーション」といいます。

必要な機器

コンベアトラッキングに必要な機器には以下のようなものがあります。

1.コンベア
ビジョンカメラを使用しない場合はガイド(製品が横方向にずれない為の機構)が必要です。製品の流れる量やロボットの負荷によって速度を変更できるような可変速制御のできるコンベアが適しています。

2.エンコーダ
回転をオン、オフの信号でコントローラに伝えるセンサの一種です。コントローラはそのオン/オフをカウントし、どれだけ動いたかを計算します。

3.トリガー用センサ
エンコーダでカウントし始めるタイミングを取ったり、ビジョンカメラで撮像するタイミングを取るために使用します。ビジョンカメラで撮像する場合、このセンサを使用せず、一定時間毎に撮像し、認識させる場合もあります。

4.ビジョンカメラ
製品を認識するためのカメラ。コントローラ内蔵タイプが多く、製品の形状を記憶させ、その形状に近い物体を探す方法が一般的によく使用されています。カメラ自体の画素数と正しく認識する
ための機能で性能と価格が決まります。

5.ビジョン用照明
製品を認識しやすくするための照明。ちらつきが少ないLED照明がよく使用されます。また、製品の色や光沢によって照明の色を変える場合があります。また、影を作らないような工夫が必要です。外光の影響を受けやすくカバーで覆う場合もあります。

6.キャリブレーション治具
ビジョンカメラとロボットの座標系を合わせるために使用する治具。最初の設定時に使用しますが、定期的にキャリブレーションを行うことで誤差の発生をなくす事が可能です。

7.キャリブレーション用製品
形状が一定でない製品の場合、最初のキャリブレーションを行った製品を保存し、再度確認する際にこれを使用すると誤差の発生の原因を把握しやすくなります。

メリット

コンベアトラッキングを利用すると下記のようなメリットがあります。

①コンベアを止める、動かすといった時間が必要なく、装置の動作時間が短くなります。
②位置決め治具が必要なくなり、装置を簡素化でき、多品種生産がしやすくなります。
③品種切替の際、ガイド部のみで済み、容易に段取り替えができます。

ビジョントラッキングの精度に影響する項目

ロボットによるビジョントラッキングは動いているワークを取得した後、そのワークを決められた場所に決められた状態で置く必要があります。その置く場所に応じた取得する精度が必要となってきます。
ここではロボットがビジョントラッキングでワークを取得する精度に影響する項目を記述します。

1.カメラの解像度
ロボットが正確にワークを取得するためには、ワークの輪郭を正確に認識する必要があります。
例えば、ワークを沢山流すためにコンベアの幅を広くするとビジョンカメラを高い位置に取り付けないと全体を見ることができなくなります。
ただ、カメラの位置を高くすると1画素あたりの認識する面積が広くなり、全体的にボヤけた画像となってしまい位置の認識精度は悪くなります。
そこで画素数を大きくするとデータ量が増え、ビジョンカメラの処理速度の早さが求められ、高価になってしまいます。

2.照明
自動装置の画像処理カメラでは外光を極端に嫌います。
太陽光は時間や季節によって照度や色彩、方向が変わり非常に不安定です。また、蛍光灯は人の目には気にならない程度のチラツキがあり、このチラツキがカメラで取得する画像に大きく影響します。
一般的にビジョントラッキングで使用する照明はLED照明を使用し、外光を遮断するためカメラ、照明、視野範囲をカバーで覆います。また、製品の色や光沢によって照明の色を選択し、輪郭などの特徴を見やすくする工夫を行います。

3.エンコーダ
エンコーダはコンベアの動作を正確にロボットに伝える役目をします。
エンコーダ自体では誤差は発生しないが、エンコーダに取り付けたローラーとコンベアのベルトの滑りが発生することで進行方向に誤差が発生します。
また、コンベアのベルトが新品の場合としばらく使い続けることで発生する「初期伸び」という現象で誤差が発生する可能性があります。定期的に調整をする事が推奨されます。
4.処理速度
ビジョンカメラで画像を処理するCPUの速度やそれを伝える通信方法により処理速度がコンベアの速度やロボットの速度に遅れを発生させることがあります。
製品の位置の認識と良否判定を同時に行ったり、カメラの判別している状況をモニタ表示したり、取得した画像結果をファイルとして保存する場合、処理速度が低下する事があります。この場合、ロボットがコンベアの動作に追いついていけず、ずれが発生する可能性があります。

誤差の発生

コンベアトラッキングは長い期間使用していると次第に位置がずれていくことがあります。

「位置のずれが発生する原因」
①ベルトの伸び、蛇行
②エンコーダのローラーの磨耗
③ローラーの滑り
上記のような原因により位置ずれが発生することがあるため、定期的なメンテナンスが必要となります。
他に画像処理の画像をモニタリングすることで処理が負担になり誤差が発生する場合もあります。

MIRAI LABでは

MIRAI-LABでは構想設計のWeb相談を受け付けております。自動化でお悩みの方は、初回無料ですので、是非お問合せ下さい。

お問合せ

お知らせ