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PLC(シーケンサ)を基礎から解説 AI・IoTとの組み合わせで発揮される効果は

2021.04.02

工場内のモータ、センサ、コンベア、ロボットなどの大小様々な機械装置は、PLCというコントローラで一括して制御されていることが多いです。それだけでなく、エレベータ、上下水道プラント、ダム、植物工場、遊園地のアトラクションなど施設を背後から支えています。FAシステムにおいて中核的な役割を担い、AI・IoTとの連携によってさらに効果を発揮させる使い方も模索されています。

本記事では、そんなPLCについてわかりやすく解説いたします。どのような利点があるのか、AI・IoTとの組み合わせで発揮される役割は何かなどPLCの概要を知り、活用の素地を身につけましょう。

関連記事:制御設計に欠かせない!PLCとは?分かりやすく説明します。

PLCは“専用のマイクロコンピュータを利用してシーケンス制御を行う機器”

PLCProgrammable Logic Controller)は“専用のマイクロコンピュータを利用してシーケンス制御を行う機器”のことです。シーケンス制御とはあらかじめ定められた順序・手続きに従った制御のことです。以前は電気信号を中継しスイッチとして利用するリレー回路が機械制御において広く普及していました。

しかし、ライン制御から集中制御、分散制御へと求められる制御の規模が拡大するにつれて再設計・再調整への対応の複雑化や巨大化した制御機器の設置場所不足などの問題が生じます。そこで、コンピュータ技術を背景に大きな拡張性や変更容易性を持つPLCが大手自動車メーカーGM(General Motors)などの要求を受けて、1960年代後半に開発される運びとなりました。PLCはその後IC・LSI(集積回路)技術の発展により小型化・高速化を進め、NC装置への展開や高級なデータ演算処理、インターネットとの接続など高機能化を進めています。

PLCのことを「シーケンサ」と呼んでいる方も少なくないでしょう。実は、シーケンサは大手PLCベンダーの三菱電機がつけた商品名です。両者は同じものを指すこと、PLCが機器名、シーケンサは商品名であることを覚えておきましょう。

PLCはIoTやスマート工場を陰で支える重要な要素の1つになっています。昔のPLCは、演算も加算・減算といった簡単な計算しかできなかったのに対し、いまはsinやcosやtanといった三角関数なども扱えます。例えば、これを使って風力発電システムで、羽と風が当たる角度を最適になるように計算し、効率よく電気を発生させることも可能です。

AI・IoT導入においてなぜPLCに注目すべきなのか?

工場へのAI・IoT導入においてPLCに注目すべき理由は二つあります。

一つは、PLCは機器の制御に伴ってさまざまなデータを送受信・蓄積することが可能だからです。いわば情報のハブであるPLCをIoT・AIと連携させることで、できることの幅は大きく広がります。これはコンピュータが介在しないリレー回路で制御された装置には不可能なことです。
例えば「PLCをネットワークに接続し機器の稼働状況を遠隔監視する」「AIを搭載したPLCに機械学習を行わせて機器の異常を感知させる」などの活用例が挙げられます。

PLCに注目すべき理由の二つ目はその変更容易性です。データの見える化により機器の動作変更を行う必要が生じた場合、PLCであればプログラムを変更するだけで施策を完了させることができます。リレー回路の場合であれば設備を停止させたうえで配線やリレーの変更の手間がかかります。

スマートファクトリー化が進む中で設備・オペレーションも常に更新されることが求められるようになってきています。PLCの製品単価はリレー回路に比べて高額ですが、仕様変更・拡張時にかかるコストや工数を鑑みると、むしろPLCの方が経済性が高いともいわれています。また、接触不良などの経年劣化が起こりえない信頼性、動作表示機能や自己診断機能による保守運用の容易性の高さもPLCのメリットです。

PLCとAI・IoT連携において知っておくべきポイント

PLCとAI・IoTの連携において知っておくべきポイントをもう少し押さえていきましょう。

OTとITの連携が不可欠

PLCのプログラミングはOT(Oparational Technology:工場のハードウェアを制御・運用する技術)と呼ばれる技術に相当します。OTとITの融合は近年製造業DXにおいて非常に重視されるところですが、その典型例がこのPLCとITの連携といえるでしょう。
PLCから得たデータをデータベースに送信するためには両分野の知識が必要となり、必然的にITエンジニアとOTエンジニアのコミュニケーションが求められることになります。

PLCのプログラミング言語はさまざま

一口にPLCといってもそのプログラミングに用いられる言語はさまざまです。国際標準規格「IEC 61131-3」ではラダー言語・ST言語・FBD言語・SFC言語・IL言語の5言語が定義されており、それぞれに特性が異なります。最もポピュラーなのはリレー回路をプログラミング言語化したラダー言語ですが、その中でもメーカーごとに微妙な差異が存在してきた歴史があります。
動作変更が容易とはいえ対象のPLCに用いられている言語について熟知した人材が必要なことは覚えておきましょう。

PLCによってはネットワーク通信を前提としていないものも

1960年代後半に登場したPLCには当然装置の年代によって仕様に大きな違いがあり、旧型の装置ではそもそもネットワークとの通信を前提としていないものも存在します。そのような装置とネットワークをつなぐには専用の機器を導入するなどの工夫が必要となります。

PLCの可能性は大きく広がっている

PLCの概要やIoT導入において注目すべき理由、注意すべきポイントについて解説いたしました。
今や機械の制御において当たり前のものとなっているPLCですが、IoT・AI時代によりその役割は幅を広げています。
今まで意識していなかった方もぜひそのさらなる活用の可能性に目を向けてみてください。

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