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【各種モータによる位置制御】モーションコントロールの構成

2020.12.22

モーションコントロールとは、その名の通りモーション(動作)をコントロール(制御)することです。
FA分野におけるモーションコントロールとは、主としてサーボ動作の制御を行うことを指し、この制御に関する演算処理を行うデバイスをモーションコントローラと言います。

あらゆる機械は、電気を与えると電気を運動エネルギーに変換し動作するモータで動いています。モーションコントロールとは、つまりそのモータ(電動機)を制御することです。モータにはモータ本体を制御するモータドライバがあり、そのドライバに対しパルス信号(一定の幅を持った電気信号の波)を出力し制御するモータコントロールボードがあります。それらを全てコントロールするのが、モーションコントローラなのです。

なぜモーションコントローラが必要?

産業用ロボットは様々な動作を±0.1mm以下の精度で制御することができます。それを可能にしているのがモーションコントローラです。

例えばロボットに円を描くような動作をさせる場合、複数のサーボモータを1パルス単位の非常に繊細な精度で同調制御する必要があります。一見簡単に動作しているように見えるものでも実際は非常に複雑な演算処理を実施しているのです。そういった演算処理が必要なロボット含め、複数のサーボモータの同調制御や位置決め制御などの複雑な演算処理をPLCの代わりに演算処理してくれるのがモーションコントローラです。

また、モーションコントローラは、通常サーボモータに付帯する機器ですが、他にもコンベアの制御多軸ロボットの軸制御位置決め制御、工場内に様々な制御設定が散在しているような装置など、それらを緻密にコントロールするためにもモーションコントローラが必要となります。
モーションコントローラは、精密加工、ロボット、巻線機、半導体製造機などを製作する際、必ず必要となります。

モーションコントローラができること

● 正確な多軸制御
● 位置決めコントローラではできない輪郭制御
● トルク制御
● 作業ヘッド(ハンドなど)と機構の同調、同期
などがあげられます。

実際どういった場面で使用する?

ロボットのモーションコントローラは基本的にロボットコントローラに内蔵されているため、PLCに取り付けるようなコントローラを別途購入する必要はありません。モーションコントローラは、自社で複数台のサーボモータを組み合わせた装置を製作する時などに必要となります。

例えば、複数のサーボモータを連携させた搬送装置などです。こういった精密な搬送装置は複数のロボットを連携させたソリューションにおいては必須となるため、自動的に大規模なロボットソリューションを製作する時にはモーションコントローラを活用する必要があります。

モーションコントローラの種類と特徴

モーションコントローラは、基本的にサーボモータを販売しているメーカが提供している場合がほとんどです。サーボモータはそれぞれのモータ毎に1パルスあたりの回転率などが異なるため、自社のサーボモータに対応したコントローラを提供しているのです。そうしたメーカが提供するモーションコントローラの中にもいくつか種類が存在し、スペックによってできることが異なる場合が多いです。

各製品のわかりやすい違いとしては、演算処理用CPUの性能などがあげられます。CPUが高性能なものになれば演算処理にかかる時間が短くなるため、モーション制御が高速で実施できる様になります。

また、処理できる量も増えるため、高性能なモーションコントローラは一つのコントローラで制御できるサーボモータの数が多いです。一般的に2軸〜32軸の範囲で制御できる軸数が異なります。また、メーカ毎に制御ソフトを作成するためのソフトが異なるが、基本的にはラダーや SFC言語、ST言語などの FA系プログラミング言語で開発を行うことができます。

モーションコントロール技術とは?

モーションコントロールの技術力は実際に数台のサーボモータの制御から始まり、複数台のサーボモータを制御する中で培われていくものです。

サーボ制御は電気だけでなく、機械的な事柄への理解も必要となるため、モーションコントロール技術の高いSIerは高い技術力を持ったSIerであるといえます。
特にサーボモータとロボットを連動させる場合、異なるコントローラ同士で動作を連携させる必要が出てくるため、高い技術力を有しているSIerでなければ実施は困難となります。モーション制御技術は自動化技術の根幹に位置する技術の一つです。

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